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2013年8月29日 (木)

親子で富士登山!(続・一日目)

<日没>
そう、もう日が暮れる時間。
使わないことを想定していたヘッドライトが
ここで使われようとは・・・

小屋の中で防寒装備をして
靴紐をしっかり締めなおして・・・

山小屋のスタッフさんにキッチリ謝って・・・

PM 7:00 山頂を出発。
下山を開始する。


これからの時間
息子にとって
とてもつらい時間を経験することになる。



゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。




まず、
山頂からの行動の選択肢はひとつ。

”少しでも高度を下げること”

いくら疲労困憊でも
山を降りるという行動は避けられない。

今まで頑張って登ってきた道を
下りはじめる。

頭が痛い中・・・
疲れている中・・・

一歩一歩ゆっくりと下る。
少し下っては休憩。
下っては休憩・・・

やっと休めると思って登ってきた道を
休まず下るということは・・・

相当つらいと思う。


下りながら
彼にいくつかの選択肢を出す。

大きく三つの選択肢。

ひとつは
”ある程度頭が痛くならないところの山小屋で一泊し、翌日頂上へ再トライする。”

ひとつは
”ある程度頭が痛くならないところの山小屋で一泊し、翌日下山する。”

ひとつは
”このまま下山して帰宅する。”


彼の選択肢を尊重することに決めていた。


子供ながら小学六年生。
彼にとっても初めての登山ではない。



九合五勺まで下る。
まだ頭が痛いと訴える。
少し休んでさらに下る。

一歩一歩ゆっくりと下る。
少し下っては休憩。
下っては休憩・・・

九合目に下っている途中、
彼が決めたようだ。


「このまま下山して家に帰る。」


彼の意見を尊重し、
「じゃあがんばろう!」

でも、
一歩一歩ゆっくりと下る。
少し下っては休憩。
下っては休憩・・・

決めたからって
ペースが上がったわけじゃない。


スゴイつらい中を自分で決めたんだ。
決めたからって
ペースが上がったわけじゃないのに・・・

目頭が熱くなった。

~このまま応援しながら一緒に下山しよう!~

九合目。
ホントに疲れているから
本音が出る。
「まだ九合目か・・・、まだまだ長いなぁ・・・」

足取りがとても重くみえる。

「少しずつでいいから降りて行こう。小さな一歩を重ねていつかは下に着くから。」
「うん・・・。」

一歩一歩ゆっくりと下る。
少し下っては休憩。
下っては休憩・・・

明らかにペースは落ちている。


八合目まで降りてきた。

頭は痛くないようだが、
もう疲労が支配していて
どうしようもない様子だった。

山小屋の前で
少し座って休憩していたら
ほんの一瞬で
・・・彼は寝ていた。

「さぁ、どうした!?自分で帰るって決めたなら帰ろう!」
目を覚めさせる。



ここならどうにでもなった。
目の前の山小屋に頼めば泊まれる。

ただそれだけのこと。

頭は痛くないんだから
このまま泊まることもできる。
休むことができる。


「やばいっ。一瞬寝ちゃった。寝ちゃうから行こう。」


それでも彼は降りるという。

変な選択肢を与えないで
頑張っている彼を見守ることに決めた。


どんなに時間がかかってもいい。


このあたりから
徐々に登山者が増えてきた。

まさに<弾丸登山>のタイミング。

「こんばんは~。」
すれ違う人たちに慣例のご挨拶。

降りてからの話だが、
彼はその挨拶を言うことがつらかったようだ。
もう喋る元気もない中を
「こんばんは~。」

体から何かをしぼり出すように言葉を返す。


七合目あたりから
本格的に登山者がどんどん登ってくる。


当然、
下っているのは
我々だけ。

そう、この時間では
五合目に降りても
水ヶ塚公園までのシャトルバスが終わっている。


それでも降りている。


息子と下山するために。



一歩一歩ゆっくりと下る。
少し下っては休憩。
下っては休憩・・・

更にペースは落ちている。


日付が変わる。
朝4時半に起きてから
今もなお歩いている。


六合目に降りている途中、
すれ違ったグループの一人が
この時点で吐いている。

(ここで吐いてたら、上なんてとてもとても・・・)

なんて思いながら
コツコツと下る。

一歩一歩ゆっくりと下る。
少し下っては休憩。
下っては休憩・・・


ようやく六合目まで降りてきた。


ここまでくれば
あと少し。


でも
息子にとって
そのときの”あと少し”は
全く見えていなかった。

あと少しという距離感も
あとちょっとという感覚もなく

ただ
降りきることだけしか考えられなかった。


だらだらとした
六合目からの下り坂から
最後のわずかな下り。

その下りの本当の最後の曲がり道の先に
五合目の道路が見える。


「よし!もうついたぞー!」
「はぁー、着いたー!」


降りる先には
シャトルタクシーが見えた。

まるで
自分たちを待っているかのようだった。


AM 1:00 五合目到着。
彼は疲れ果てていて
「やったー!」とかの達成感は
まるでない。


彼は本当によくやった。
自分の息子を心から褒めた。

感動というより
彼の成長を褒め称えた。


☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;:*


マイカー規制のこの期間は
24時間案内の人が常駐している。

常駐しているスタッフが話しかけてきた。

事情を説明する。

なぜこの時間に降りてきたのか
それが聞きたかったのだろう。

説明すると、スタッフが
「ここから水ヶ塚公園まで移動するには、ここで始発のシャトルバスを待つか、あのシャトルタクシーで降りるかしかない。」

始発まで6時間・・・
・・・待つわけがない。


シャトルタクシーに乗る。
息子は直ぐに眠ってしまった。

20分ちょっとで公園に到着。

寒い服装を脱いで
駐車場を後にする。

途中足柄SAに寄るも
当然彼は車中で爆睡・・・



AM 3:30 自宅に到着。


本当に長い一日だった。

当初の予定は
山小屋で一泊し、
朝、
ご来光を見て、
お鉢めぐりをし、
御殿場口から宝永山を経由して下山し、
帰りにおみやげでも買いながら
ラーメン食べて帰ろうかな~

・・・なんて。
思っていること全然出来なかったと
彼は言っていた。

でも・・・、

でも、

よく考えれば

ちゃんと登頂したよ。


少し時間のずれた
”日帰り登山”だよ。

自分の足で登って
自分の頭で考え
自分の足で降りてきた。


立派だよ。

よかったね。


山は富士山だけじゃない。
中学生になったら部活とかいろいろあるからなかなか一緒に行けないかもしれないけど、

機会が合ったら他の山にも一緒に行こう!

富士山だって
今はきつくても
大きくなればもっと行きやすくなるかもしれないからさ。


いい思い出になったよ。
「ありがとう。」


・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆


下山を決めて
ヘッドライトを貸してくれようとしてくださったり、
息子に「頑張れっ!」
って言ってくださった
<頂上富士館>のスタッフの方々や

八合目下ですれ違った
これから登るのに
高山病になってしまった息子に
酸素缶を息子にあげようとしていた
5~6人の若い男女のグループの方々。


心から感謝します!


まだまだニッポンも
捨てたモンじゃない!


息子も
そのやさしさは
どうか
いつまでも忘れないでほしい。


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コメント

どうもありがとうございました!(ToT)

byいそちん

投稿: いそちん | 2013年8月29日 (木) 20時43分

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